○戸沢村文化財保護条例

昭和48年3月22日

条例第7号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、同法の指定を受けた文化財又は山形県文化財保護条例(昭和30年山形県条例第27号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、戸沢村(以下「村」という。)の区域内に存するもののうち村にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて村民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗資料及び史跡、名勝、天然記念物をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 戸沢村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たつては関係者の所有権その他財産権を尊重するとともに文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 村指定有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、村の区域内に存する有形文化財のうち、村にとつて重要なものを村指定有形文化財に指定することができる。

2 前項の規定により指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ別に定める文化財調査委員会の意見を聞くものとする。

4 第1項の規定による指定は、その旨を公示するとともに当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による公示があつた日からその効力を生ずる。

6 教育委員会は、第1項の規定により指定をしたときは、その所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 教育委員会は、村指定有形文化財が村指定文化財としての価値を失つた場合、その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 前条第3項から第5項までの規定は、前項の規定による指定の解除に準用する。

3 村指定有形文化財について法又は県条例の規定による指定があつたときは、当該村指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を公示するとともに、当該村指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による村指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき及び前項の規定による通知を受けたときは、所有者は、すみやかに村指定有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者の管理義務等)

第6条 村指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、村指定有形文化財を管理しなければならない。

2 村指定有形文化財の所有者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、すみやかにその旨を教育委員会に届出なければならない。

3 村指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、すみやかにその旨を教育委員会に届出なければならない。

4 村指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは毀損し、又はこれを亡失し、若しくは盗みとられたときは、所有者は、すみやかにその旨を教育委員会に届出なければならない。

5 村指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者は、その変更しようとする日の20日前までにその旨を教育委員会に届出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届出ることをもつて足りる。

(管理又は修理の補助)

第7条 村指定有形文化財の管理又は修理につき、多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合には、村は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第8条 前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者が次の各号の一に該当するに至つたときは、村は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者に対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理又は修理に関し、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(管理又は修理に関する勧告)

第9条 教育委員会は、村指定有形文化財の管理が適当でないため、当該村指定有形文化財が滅失し、毀損し、又は盗みとられるおそれがあると認めるときは、所有者に対し管理方法の改善、保存施設の設置、その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 教育委員会は、村指定有形文化財が毀損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対しその修理について必要な勧告をすることができる。

3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を村の負担とすることができる。

4 前項の規定により村が費用の全部又は一部を負担する場合には、第7条第2項及び前条の規定を準用する。

(現状変更の届出等)

第10条 村指定有形文化財の現状を変更しようとする者は、規則で定める範囲の維持の措置をする場合を除き、現状変更に着手しようとする日の30日前までにその旨を教育委員会に届出なければならない。当該届出事項を変更しようとする場合も、また同様とする。

2 村指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状の変更に関し必要な指示をすることができる。

(修理の届出等)

第11条 村指定有形文化財を修理しようとするときは、所有者は、第7条第1項の規定による補助金の交付を受け、第9条第2項の規定による勧告を受け、又は前条第1項の規定による届出を行つて修理を行う場合を除き、その修理に着手しようとする日の30日前までにその旨を教育委員会に届出なければならない。当該届出事項を変更しようとする場合も、また同様とする。

2 村指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。

(公開)

第12条 教育委員会は、村指定有形文化財の所有者に対し1カ月以内の期間を限つて教育委員会の行う公開の用に供するため、当該指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 前項の規定による出品のために要する費用は、村の負担とする。

3 村は、第1項の規定により出品した所有者に対し給与金を支給することができる。

4 教育委員会は、第1項の規定により村指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

5 第1項の規定により出品したことに起因して村指定有形文化財が滅失し、又は毀損したときは、村は、所有者に対し通常生ずべき損害を補償する。ただし、所有者の責に帰すべき事由によつて滅失し、又は毀損した場合は、この限りでない。

(調査)

第13条 教育委員会は、必要があると認めるときは、村指定有形文化財の所有者に対し、村指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき、報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第14条 村指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、村指定有形文化財に関し、この条例に基づいて行う教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、村指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引渡さなければならない。

第3章 村指定無形文化財

(指定)

第15条 教育委員会は、村区域内に存する無形文化財のうち村にとつて重要なものを村指定無形文化財に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定により指定するにあたつては、村指定無形文化財の保持者を認定しなければならない。

3 第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、教育委員会は、あらかじめ別に定める文化財調査委員会の意見を聞くものとする。

4 第1項の規定による指定は、その旨を公示するとともに村指定無形文化財の保持者として認定しようとするものに通知して行うものとする。

5 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても村指定無形文化財の保持者として認定するに足る者があると認めるときは、その者を保持者として追加認定することができる。

6 前項の規定による追加認定には、第3項及び第4項の規定を準用する。

(解除)

第16条 教育委員会は、村指定無形文化財としての価値を失つた場合、その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、その他特殊な事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除は、その旨を公示するとともに、村指定無形文化財の保持者に通知して行うものとする。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除には、前条第3項の規定を準用する。

5 村指定無形文化財について、法又は県条例の規定による指定があつたときは、当該村指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を公示するとともに、村指定無形文化財の保持者として認定されていたものに通知しなければならない。

7 保持者が死亡したときは、保持者の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したときは村指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合は、教育委員会は、その旨を公示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第17条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、すみやかにその旨を教育委員会に届出なければならない。

(保存)

第18条 教育委員会は、村指定無形文化財の保存のため必要があると認めたときは、村指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行い、又は保持者その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第7条第2項及び第8項の規定を準用する。

(公開)

第19条 教育委員会は、村指定無形文化財の保持者又は記録の所有者に対し、その公開を勧告することができる。

2 前項の場合には、第12条第2項の規定を前項の規定により公開したことに起因して村指定無形文化財の記録が滅失し、又は毀損した場合には、第12条第5項の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第20条 教育委員会は、村指定無形文化財の保持者、その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第4章 村指定民俗資料

(指定)

第21条 教育委員会は、村の区域内に存する有形の民俗資料のうち、村にとつて重要なものを村指定民俗資料に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第4条第2項から第6項までの規定を準用する。

(解除)

第22条 教育委員会は、村指定民俗資料が村指定民俗資料としての価値を失つた場合、その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 村指定民俗資料について法又は県条例の規定による指定があつたときは、当該村指定民俗資料の指定は解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には、第5条第2項及び第5項の規定を、前項の場合は第5条第4項及び第5項の規定を準用する。

(準用規定)

第23条 第6条から第14条までの規定は、村指定民俗資料について準用する。

第5章 村指定史跡・名勝・天然記念物

(指定)

第24条 教育委員会は、村区域内に存する記念物のうち、村にとつて重要なものを村指定史跡・村指定名勝又は村指定天然記念物(以下「村指定史跡・名勝・天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第4条第2項から第5項までの規定を準用する。

(解除)

第25条 教育委員会は、村指定史跡・名勝・天然記念物としての価値を失つた場合、その他特別な事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 村指定史跡・名勝・天然記念物について法又は県条例の規定による指定があつたときは、当該村指定史跡・名勝・天然記念物の指定は解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には、第5条第2項の規定を、前項の場合には、第5条第4項の規定を準用する。

(標識等の設置)

第26条 村指定史跡・名勝・天然記念物の所有者は、教育委員会規則の定める基準により、村指定史跡・名勝・天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さく、その他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第27条 村指定史跡・名勝・天然記念物の指定地区内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があつたときは、所有者は、その異動のあつた日から30日以内にその旨を教育委員会に届出なければならない。

(準用規定)

第28条 第6条から第11条まで及び第14条の規定は、村指定史跡・名勝・天然記念物について準用する。

第6章 補則

(施行規則)

第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

戸沢村文化財保護条例

昭和48年3月22日 条例第7号

(昭和48年3月22日施行)

体系情報
第7編 育/第4章 文化財
沿革情報
昭和48年3月22日 条例第7号